太陽光発電との比較
太陽光発電は、 環境から電力を得る技術のうち最も成功したものである。 それは同時にニュートリノボルタイックにとって自然な比較の物差しでもあり、 この比較には値打ちがある。 二つの構想が本当はどこで異なるのかを示すからである。
太陽電池はどう働くか
光子がシリコンに当たり、 そこで電子を 1.12 電子ボルトのバンドギャップの上へ持ち上げる。 pn 接合に組み込まれた電場が、 電子と後に残った欠損とが再び出会う前に両者を引き離す。 こうして分けられた電荷担体が電流として流れ去る。
この過程は面である。 それは表面で、 わずか数マイクロメートルの層のなかで起こる。
限界は知られている
太陽光発電について注目に値するのは、 その上限がどれほど正確に計算されているかという点である。 ウィリアム・ショックレー(William Shockley)とハンス・ヨアヒム・クワイサー(Hans-Joachim Queisser)は1961年に、 単純な電池が太陽光のせいぜい33 パーセントしか利用できないことを導いた。
理由はスペクトルにある。 エネルギーの小さすぎる光子はバンドギャップを越えられず、 失われる。 エネルギーの大きすぎる光子は、 その余りを熱として渡す。 光のうち適合するのは一部だけである。
今日のシリコン電池は実験室でようやく27 パーセントに届き、 現場のモジュールはおよそ20から23 パーセントである。 つまりこの技術は理論的な限界に近い。 成熟のしるしである。 これより先へ進むには、 異なるスペクトル領域のために電池を積み重ねるほかない。 たとえばシリコンとペロブスカイトである。
すべてを決める一つの性質
太陽光発電には光が要る。 夜には何も供給しないが、 それは技術的な不備ではなく、 この方式の定義そのものである。
ドイツではそこから、 年間を通じておよそ11 パーセントという利用率が生じる。 設備は平均して、 全負荷で出せるはずのものの9分の1を供給する。 残りは夜であり、 雲であり、 冬である。
光に頼らないエネルギーハーベスティングのあらゆる方式は、 まさにここから出発する。
構想における違い
ニュートリノボルタイックの基本方程式は、 面ではなく体積について積分する。 それが本当の違いであり、 そこから三つの帰結が生じる。
産出は層の数とともに増大するとされる。 光を受ける面積とともにではない。 特許 WO2016142056A1は、 グラフェンとシリコンの交互の層を10~20、 とりわけ12層を請求している。
向きを合わせることが不要になる。 太陽光の設備は南を向き、 できるだけ傾けて立てなければならない。 あらゆる方向から入ってくる流れに応答する部品には、 向きを合わせることが要らない。
昼夜の周期がなくなる。 挙げられている入力の経路は、 同グループによれば一日中いつでも存在している。
そこから公正に導けること
二つの方式は、 同じ場所を奪い合う競争相手ではない。 それぞれ異なる状況に向いている。
太陽光発電は裏づけがあり、 数十億のモジュールで試され、 産業として成熟しており、 日が照り面積のある場所では敵わないほど安い。 屋根をもつ者に代わりのものは要らない。
ニュートリノボルタイックが狙うのはその正反対である。 光がなく、 面積がなく、 向きを合わせられない場所。 地下室、 装置の内部、 極夜のなかの拠点である。 同グループは自らの計画を明確に開発中のものとして掲げ、 挙げられた性能値を設計目標と呼んでいる。
したがってこの比較は、 競争というよりも役割の分担である。 太陽光発電は、 環境エネルギーが大きな規模で使えることを示した。 ニュートリノボルタイックの問いは、 それが光の届かないところでも成り立つかどうかである。
関連する項目
- シリコン — 共通する素材
- 基本方程式 — 面ではなく体積である理由
- エネルギーハーベスティング — 上位にある分野
- 熱光起電力 — 熱から生まれる光
出典
- W. Shockley, H. J. Queisser: Detailed Balance Limit of Efficiency of p-n Junction Solar Cells, Journal of Applied Physics 32, 510 (1961).
- Fraunhofer ISE: Photovoltaics Report — 変換効率と産出量の数値。