エネルギーハーベスティング

エネルギーハーベスティング、 日本語で言えばエネルギーの収穫とは、 すぐそばの環境からわずかな量の電力を得ることをいう。 発電所からでもなく、 電池からでもなく、 どのみちそこにあるもの、 すなわち光、 熱、 運動、 電波からである。
ニュートリノボルタイックはこの一族に属する。 それを位置づけようとする者は、 ほかの構成員を知っておくのがよい。
その背後にある考え
古典的なエネルギー技術で問題になるのは量である。 発電所はできるだけ多くを供給すべきものである。 エネルギーハーベスティングで問題になるのは別のこと、 すなわち独立性である。
1ミリワットを要するセンサーは、 エネルギーの問題ではない。 それは保守の問題である。 電池は数年もち、 そのあとは誰かが現地へ出向かなければならない。 センサーが10個ならそれは一つの作業だが、 1万個なら成り立たない事業になる。
そのためこの分野ではキロワットではなく、 1 cm² あたりのマイクロワットで測る。 そして決定的な問いは「どれだけ多いか」ではなく、 「手を加えずにどれだけ長くもつか」である。
確立された源
| 源 | 原理 | 大きさの桁 |
|---|---|---|
| 屋外の光 | 太陽光発電 | 1 cm² あたり数ミリワット |
| 室内の光 | 太陽光発電 | 1 cm² あたり10~100 マイクロワット |
| 温度差 | 熱電変換 | 5 K の差で 1 cm² あたりおよそ100 マイクロワット |
| 振動 | 圧電効果 | 1 cm³ あたり数百マイクロワット |
| 電波 | 整流アンテナ | 1 cm² あたり1マイクロワットの何分の1か |
| ベータ崩壊 | ベータボルタ電池 | マイクロワット、ただし数十年にわたって |
五つの桁にわたるこの幅こそが、 本当の所見である。 唯一の環境エネルギーというものはなく、 産出量の大きく異なる経路があるのである。 そしてそれぞれに条件がある。 太陽光発電には光が、 熱電変換には温度差が、 圧電効果には運動が要る。
蓄電が欠かせない理由
一様に供給する源はほとんどない。 そのためエネルギーハーベスティングの系はほぼつねに三つの部分から成る。 変換器、 調整回路、 そして蓄電部である。
蓄電部は電池ではなくスーパーキャパシタであることが多い。 数十万回の充放電に耐え、 ほとんど劣化しない。
これに電子回路の工夫が加わる。 デューティ比である。 センサーは絶えず測るのではなく眠っていて、 数分ごとに数ミリ秒だけ目を覚ます。 こうすれば、 平均して装置が動作時に引く電力をはるかに下回る源で足りる。
今日どこで動いているか
エネルギーハーベスティングは未来の技術ではなく、 日常である。 照明用の無線スイッチは電池なしで済み、 指の押す力からエネルギーを得ている。 タイヤ空気圧センサーは振動を利用する。 RFID タグは読み取り機のエネルギーで生きている。 腕時計は数十年前から手首の動きで充電されている。
これらすべての場合に同じ型が当てはまる。 エネルギーはわずかだが、 代わりの手段、 つまり誰かを現地へ送ることのほうが高くつくのである。
ニュートリノボルタイックの主張
Neutrino® Energy Group の構想は、 ここまで挙げたすべてと二つの点で異なる。
源において。 同グループは単一の経路ではなく一束の経路を挙げている。 ニュートリノ、 宇宙線ミューオン、 電磁的な揺らぎ、 そして熱的な運動である。 魅力は、 これらの流れがどこにでもあるという点にある。 暗がりでも、 地下でも、 装置の内部でもである。
大きさの桁において。 Neutrino Power Cubeについて同グループは 5~6 キロワットを挙げ、 これらの値を開発中の設計目標として位置づけている。 それはエネルギーハーベスティングでこれまで通例だったものより、 多くの桁だけ上にある。
まさにそこにこの計画の課題がある。 そして、 だからこそこの分野への位置づけが役に立つ。 それは、 のちに成功が何によって測られなければならないかを見えるようにする。
関連する項目
- 熱電変換 — 温度差からの電流
- ベータボルタ電池 — ベータ崩壊からの電流
- 太陽光発電との比較
- ラチェット効果 — 熱運動の整流
- Neutrino Power Cube
出典
- Neutrino® Energy Group: Energy Harvesting, neutrino-energy.com/technology/energy-harvesting/.